『探せチュロス』
メロスは驚愕した。
彼の妻、ヘラメンキッスが寝込んだからである。
彼女は
「あぁチュロス…。チュロスだわ…。」
その言葉を最後にもう3日も目覚めない。
医者に見せると、
「これはチュロスだね。5日以内に早く…。」
そう言われた。
「なんということだ。」
メロスは悲しみに明け暮れてい部屋の隅で泣いていた。
その2分後、集金してきたNHKに腹を立て、ついに玄関を開けた。
「テレビなんてこの時代にあるわけねえだろ!帰れ!」
NHKは「帰れ」と言われたら必ず帰らなければならない。
それ以上粘ると刑事事件になるからである。
帰った。
メロスは誓った。
「チュロスを探し出して見せる!」
メロスは走った。
少しずつ沈んでいく太陽の、10倍も速く走った。
地球の自転が時速1300kmなので、
その速度、マッハ11である。
メロスが蹴った犬は南極まで跳び、
彼に向かって撃たれたライフルは当たらなかった。
途中で親友、セリヌンティウスの弟子の「フィロストラトス」が追いついてきた
「もう、無駄無駄でございます。走るのはやめて下さい。あなたの妻は助かりませぬ。というかあなたの走った風圧で異常気象が起きています。嵐がすごくて大ヒットしています。いやその嵐ちゃうねん。Love so sweetみたいな恋は世の中にはありません。ああ僕も結婚したい。」
そう言って彼は地面に膝を付けた。
それでもメロスは諦めずに走り続けた。
そして光速をも超えた。
過ぎ去っていく時よりも速く走り、時を超えたのだ。
「ここがUSJか…。」
メロスはチュロスを求め、USJにたどり着いた。
流石に全裸はまずいので、
ディズニーで手に入れたミッキーのカチューシャを股間に装着した。
「ははっ。これが隠れミッキーってやつか。」
メロスはメロスした。
メロスは園内のチュロスを見つけた。
「ああ!あれがチュロスか!」
しかしメロスにはお金がない。
チュロスを盗むことにした。
メロスはスペースファンタジーのように静かな歩みを始めた。
ハリウッドドリームザライドバックドロップ並みに敵の背後を取った。
そしてフライングダイナソーし、
ついにチュロスを手に入れたのだ。
証拠隠滅のため、店をバックドラフトした。
メロスは急がなければならない。
刻一刻とヘラメンキッスの死が近づいている。
「まずいぞ!」
しかし、疲れのせいか、気力が湧いてこない。
メロスは倒れた。
メロスは目が覚めると、タスキを渡された。
仲間の想いがこもったタスキ。
駒○大学の文字が記されていた。
「あとは頼んだメロス!」
〇澤大学の選手は崩れ落ちた。
彼の頑張りには答えたい。
メロスは顔を上げた。
そこには「権太坂」が立ちふさがる。
ご存じ、『花の2区』である。
現時点で23位。
ここから巻き返さないと駒〇大学の優勝は難しい。
メロスは必死に走った。
心拍数がかなり上がっており、足が棒のようだ。
それでも受け取ったタスキに込められた願いを叶えたい。
その想いからか、疲れが吹き飛び、調子を取り戻した。
2位と2分半の差をつけ、1位で3区の選手にタスキを繋いだ。
「いっけえええええ!!」
メロスは叫んだ。
その年、駒〇大学は優勝した。
テンションが上がったメロスはまた走り続けた。
日付変更線よりも速く走り、時を戻した。
「ただいま。チュロス持ってきたよ」
メロスはボロボロになりながらもチュロスを持って帰った。
ヘラメンキッスの手に添えた。
しかし、彼女は目覚めなかった。
「どうしてだよおおおおお!」
メロスは倒れこんで大泣きした。
床はキンキンに冷えてやがった。
「ごめんな。ヘラメンキッス。」
メロスはヘラメンキッスに哀しみのチューをした。
するとヘラメンキッスは起き上がった。
「チュロスが改善されたわ。ありがとう。リスカしたい。」
メロスは困惑したが、すさまじい幸福を感じた。
そしてすぐに理解した。
「チュロスとは、チューがロスしてることだったのか」
メロスは安堵した。
パートナーに行動で愛を伝えることは大切である。
求められないようにしなければならない。
『チュロス』を。
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